日本全国スイーツ談義【いとお菓子】

一乗寺郷土銘菓を作り続ける『一乗寺中谷』。三代目ご主人の“愛デア”の結晶『絹ごし緑茶てぃらみす』。

懐かしい佇まいの引き戸を開けると、まず目に飛び込むのは和菓子たち。

賑わう京都市中心部を北へ、叡山電鉄出町柳駅から、道路を横切って3駅目、一乗寺駅で降車して東へ真直ぐ5分少々。

白川通りを越え、少し小高くなった正面に見えるのが、『一乗寺中谷』です。

しっかりとした造りの、それでいて懐かしい昭和を思わせる建物の引き戸を開けると、三代に亘って作り続けられてきた銘菓でっち羊羹、武蔵、詩仙もちをはじめとする和菓子が並んでいます。

剣術道場の吉岡一門と宮本武蔵が激戦を繰り広げた一乗寺下り松。

二刀流であった宮本武蔵を偲んで作られた銘菓『武蔵』は、守り刀の鍔の模様が生地表面に型取られ、栗入りこしあんと粒あんの『二刀流』となっています。

詩仙堂を終の棲家とした武将であり文人であった石川丈三を偲んだ銘菓『詩仙もち』は、ニッキ風味のこしあんと柚子あんの2種のあんが、やわらかな求肥に包まれており、でっち羊羹、武蔵と共に一乗寺中谷の看板商品となっています。

和菓子を目で堪能したら、お次は奥のショーケースもご覧ください。

 和菓子の並ぶショーケースの左奥に、もう一つのショーケースが。

こちらは、三代目である若旦那さんと、洋菓子職人の奥さまが手掛ける、何とも目新しい和洋の素材がうまく融合した、一乗寺中谷でしか出会えない雅な洋菓子が並んでいます。

優しい文字で書かれた菓銘から、お菓子に対する姿勢やたっぷりの愛情が感じられます。

いつ行っても目新しいお菓子が並んでいて心躍るのですが、そんな中、一乗寺中谷で定番となっているのが『絹ごし緑茶てぃらみす』です。

若旦那さん自慢の白あんと奥さまお得意の豆乳スイーツが見事に融合。

  ご実家がお豆腐屋さんという若奥さま、お豆腐を活かしたお菓子を多数考案されておられますが、中でも人気なのが『絹ごし緑茶てぃらみす』です。

良い木の香りがする折箱に枯山水の庭をイメージして流し込まれ、宝石のように散りばめられた丹波産小豆、黒豆、うぐいす豆が飾られています。

ティラミス生地は、ご主人ご自慢の白あんに、豆乳・フロマージュブランのクリーム・明治時代から続く日本茶専門店『柳桜園茶舗』さんの抹茶を使用。

緑茶シロップをたっぷり沁み込ませたスポンジとともに口に入れると、まるで絹ごし豆腐のような舌触りです。

豆乳の独特なクセは全く感じられず、子どもたちにも是非食べさせたい、でも独り占めしたい、そんな仕上がりになっています。

お店には、ホールサイズだけでなくお一人用も用意されています。

お取り寄せも取扱いがありますが、只今9か月待ちとなっているようです。

お店ですとその場で購入でき、保冷剤を3時間分ほど付けて頂けますので、保冷できる袋などを持参すれば5時間ほどは持ち運べるとのことです。

お店でしか食べられないデザートメニューも是非味わいたい。

  ショーケースの奥には、京都らしい落ち着いた空間でお菓子や甘味、今の時期ですと白味噌の雑煮などが頂けます。

お店の名物、でっち羊羹やわらび餅、豆乳プリンなどがわんさか入ったパフェは、一つでお店の美味しいものが多数味わえて、満足感たっぷりです。

甘味メニューの他に、ショーケースのお菓子や和菓子も頂くことが出来ます。

京都中心部の賑わいに疲れたら、のんびり走る叡山電鉄に揺られて、静かな一乗寺でゆっくり美味しいものを楽しむのも素敵ですね。

【所在地】
京都市左京区一乗寺花ノ木町5番地

 【営業時間】
9:00~19:00

 【定休日】
水曜日(11月は不定休)

 【アクセス】
叡山電鉄:一乗寺駅下車、東へ徒歩6分
バス:JR京都駅より市バス5系統
(四条烏丸・四条河原町・三条京阪前経由)、北大路バスターミナルより北8系統、『一乗寺下り松町』下車、徒歩1分

 【駐車場】
店舗隣接地に専用駐車場3台分有り

 【商品価格】
絹ごし緑茶てぃらみす ホール1,720円(消費税8%内税) 

 【オフィシャルサイト】
http://ichijouji-nakatani.com/

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